ワクチンについて

ワクチンについて

子宮頸がんやインフルエンザなどの感染症を予防するには、事前のワクチン接種がお勧めです。使用するワクチンは、感染症の原因とされる細菌やウイルスの病原性を弱めたり、それらを無毒化したりすることでつくられます。これを注入することで体内に抗体がつくられるので、当該感染症に罹患しにくくなります。もし感染したとしても、重症化を防ぐ効果が得られます。そのほか、ワクチン接種には感染症の流行を阻止する「集団免疫」という目的もあります。

子宮頸がんワクチン

子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんの原因とされるHPV16型や18型などが持続感染するのを防ぐワクチンです。小児の定期予防接種となっており、定期接種として受けられる期間は小6~高校1年生の年齢に相当する女子とされています。上記以外の年齢で接種する場合は、任意接種となります。

なお、子宮頸がんワクチンは3種類(2価、4価、9価)あるのですが、接種にあたっては、どれかひとつのワクチンを選択する必要があります。種類の違いに関してですが、2価はHPV16型と18型を予防できます。4価は、16・18型に加え、尖圭コンジローマの原因となる6型と11型にも対応しています。9価は、4価で予防するワクチンとHPV31・33・45・52・58型の計9つの型に予防効果があります。接種回数は、2価と4価が3回、9価は初回の接種年齢によって2回もしくは3回になります。

なお同ワクチンによる副反応としては、注射部位に腫れや痛みが数日間程度みられます。そのほか、頭痛、発熱、疲労感、筋肉痛なども一時的に現れることがあります。上記以外にみられる症状としては、重度のアレルギー症状、めまい、失神が起きることもあります。詳細については、当クリニックの窓口までお気軽にお問い合わせください。

インフルエンザワクチン

ご承知の方も多いと思いますが、インフルエンザウイルスに感染すると、1~3日の潜伏期間を経た後に発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、悪寒などの全身症状が現れます。このほか、喉の痛み、鼻水、せきなどもみられます。お子さんの場合、痙攣や中耳炎、急性脳症の症状がみられることもあります。高齢者や基礎疾患をお持ちの方は、重症化して入院が必要になることもあります。

このようなインフルエンザを予防する有効手段のひとつが流行前のワクチン接種です。なお、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変え、異なるタイプが流行します。それに対抗するためにも、予防接種は毎年行う必要があります。日本の場合、例年12月~翌3月頃にインフルエンザが流行していますので、遅くとも12月中旬頃までには接種するように心がけてください。