月経のお悩みについて
月経に関するお悩みとしては、月経困難症、月経不順、不正出血などがあります。月経に関して違和感があったり、いつもと様子が違うと感じたりされましたら、お気軽にご相談ください。
月経困難症
月経困難症とは、月経時の痛みが強く、日常生活に支障をきたしている状態です。よく見られる症状は、腹痛、腰痛、悪心、嘔吐、ふらつき、頭痛、頭重、食欲不振などです。腹痛が強いため鎮痛剤を常用している、仕事に影響がでている、といったときは治療が必要になります。
なお、月経困難症には「機能性月経困難症」と、「器質性月経困難症」の2種類があります 前者の場合は、とくに病気ではなく、誰にも起こり得るのですが、月経時の痛みに悩まされます。毎月の排卵周期のなかでエストロゲンとプロゲステロンが分泌されますが、こうしたホルモンは子宮内膜に作用してプロスタグランジンを増加させることがあります。これによって子宮が収縮してしまい、腹痛や腰痛、悪心を起こすことがあるのです。この場合、とくに積極的な治療を行わないこともありますが、ピルなどのお薬を処方することもあります。
一方、後者の場合は、子宮内膜症などの病気が原因となります。このタイプの月経困難症は年々増加傾向にあり、20代前半からよくみられます。月経困難症がどちらのタイプなのかは、当クリニックで診断することができます。なお、器質性月経困難症の場合は、原因となっている病気を治療することにより、痛みが減少することが多いです。
月経不順
月経の周期は人によっても異なりますが、25~38日程度の範囲内であれば、とくに問題はありません。毎月きちんと28日や30日型などでこない場合でも、とくに問題がないケースもあります。ただし、常に40日以上の周期、常に23日以内といったケースなどは問題があります。具体的には、稀発月経、頻発月経、無月経、過長月経、過短月経などがあります。
このうち稀発月経は、月経周期が40~50日ごとになっているタイプです。患者さんの多くは、月経が始まった日から排卵するまでに長い日数がかかってしまうのですが、それから月経に至る期間は14日前後です。排卵はあるのですが、スムーズに排卵が起こらないことが主な原因となっています。なお、月経と思っていた出血が、実は排卵が無い出血だったというケースもあります。
頻発月経は、稀発月経とは逆に、頻繁に月経が来るようになるタイプです。ただし、月経や月経様の出血が頻繁にあるように思っていても、実際には排卵が起こっていないための無排卵性出血のケースが少なくありません。きちんと排卵が起こっていないことがあるので、必要な検査をきちんと受けることが大切です。
無月経は、妊娠していないにもかかわらず、月経が90日以上も来ない状態です。単なる月経不順ではなく、より注意を要するケースが多いです。無月経の場合、排卵が起こらないでホルモンの機能が低下していたり、ほとんど停止したりしていることが多いです。なお、無月経の状態を長期間にわたって放置していると、治療が難しくなったり、治療期間が長くなったりすることがあります。そのため、無月経の期間が3ヵ月以上続いたときは、お早めに受診してください。
過長月経は、月経期間が8日以上続いている状態です。この場合、ホルモンバランスの乱れや子宮の病気が考えられます。視床下部や下垂体、卵巣などに何らかのトラブルがあったり、黄体ホルモンの分泌が不十分になっていたりしている可能性があります。一方、過短月経は、月経が2日以内で終わってしまうタイプです。女性ホルモンの分泌量が少ないため子宮内膜が厚くならないケース、子宮の発育に問題があるケースなどがあります。排卵の無い無排卵月経になっていることもあり、長く放置すると不妊の原因にもなります。