子宮頸がん

子宮頸がん

子宮頸部と呼ばれる子宮下部から発生するがんです。子宮の入り口付近に発生することが多いので、観察や検査が行いやすく、発見されやすいがんとしても知られています。このがんは、性交渉によって感染するとされるヒトパピローマウイルス(HPV)が関係しているといわれています。妊娠・出産回数が多い人ほどかかりやすいですが、最近は20代の若い女性にもよく見受けられます。初期症状などは、ほとんどみられませんが、なるべく早く発見し、治療を開始することが大切です。

子宮頸がん検診

子宮頸がん検診の内容ですが、まずは問診を行い、初潮年齢や月経の状態、妊娠・出産経験の有無、自覚症状の有無などについて確認いたします。この問診結果を参考にしつつ、検診を進めていきます。具体的には、内診となります。内診台に上がり、子宮頸部の状態を目で見て確認するとともに、腟鏡を使って子宮頸部の状態を観察します。内診では、子宮の形、大きさ、位置、表面の状態、炎症の有無などを把握することができます。

その後、子宮頸部の細胞を専用のブラシなどの器具で採取し,異常な細胞がないかどうかを調べます。これは、がん診断の基本的な検査方法となります。子宮頸部にある細胞を採取するだけでがん検診が行えます。細胞は臓器の中を軽く擦る程度で採取できるので、あまり痛みは感じません。この検査は、がんを調べるだけでなく、内分泌機能の状態や感染症の有無などを確認するうえでも役に立ちます。なお、子宮頸がん検診の結果は、検査日から2週間ほどで患者さんにお伝えいたします。

子宮体がん

子宮内膜の細胞が異常に増殖してしまうがんであり、閉経後の女性に多くみられます。発症に関していうと、女性ホルモンのエストロゲンが関与していると言われています。このホルモンは子宮内膜を増殖させるのですが、排卵後は黄体ホルモンが卵巣から分泌され、この増殖を止めてくれます。しかし、閉経後はこの働きが弱まるため、中高齢の女性はとくに注意が必要です。そのほか、肥満や高血圧、糖尿病、出産経験のない方もリスクが高いといわれています。月経不順が続いている方、更年期以降の女性、乳がんを患ったことがある方は、定期的に婦人科を受診するなど、子宮体がんの有無をなるべく早く見極めることが大切です。

子宮体がん検診

子宮体がんの検査方法は、子宮の内部に細い棒状の器具を直接挿入して細胞を採取するという「子宮内膜細胞診」になります。がんなどが疑われる部位があったときは、専用の医療器具を子宮の奥に入れて組織を採取し、詳しく調べることもあります。すなわち、細胞診によって疑陽性もしくは陽性となったときは、精密検査として組織診を行うのですが、この検査では痛みを伴うことがあります。なお、検査を受けられる方のなかには、子宮の中まで器具を挿入することが難しいケースがあります。その場合は、超音波検査により判断いたします。組織診を行ったときの検査結果は5~7日ほどで患者さんにお伝えいたします。